伝えたい気持ちがなければすべては空っぽである。

プチモダンではそんなひとつの信念にもとづいてウェブサイト制作に取り組んでいる。そして、そのプチモダンはワイフのこんなひと言から始まった。

オランダにつながるホームページが作りたい。

ある日突然、オランダという言葉が発せられた。とはいえ彼女のなかではいろんな準備を経ての あのさぁ、そういえばさぁ、オランダ ...なのである。

なぜオランダ。ホワイ、オランダ。
英仏独ヨーロッパ諸国メジャーマイナー数あれど、どうしてオランダなのか。それはこれまで生きてきたなかで徐々に惹かれていったから。テレビで見たあの風景、雑誌で読んだあの街、本で語られる世界でも一歩先行く教育。特に教育の観点からその気持ちは大きく花開いたようだ。

しかし、いまだ見ぬオランダ。一度も行ったことがないのである。ただ妄想だけは日々膨らむ。はてさてどうやってオランダとつながるホームページとするか。キーワードは、旅が好き、雑貨が好き、本が好き、そして カメラが好きになった である。

何を伝えるか、何を伝えたいか。
その前に、とりあえず行ってみる。とにもかくにも行ってみたい。膨らむ希望を胸にオランダのことを調べ出すもすぐに未知の国オランダの壁が大きくその情報を閉ざす。

街の情報も現地の交通情報もこれといった手応えが得られない。でも一度興味を持ってしまった以上もう戻れない、止まらない。良いのか悪いのかお得意のノンストップワイフここに登場である。

まずは、オランダのことを日本に伝えたい。

伝えたいことはハッキリした。オランダのことを調べて実際に体験し感じたモノ・コトを伝えることで、その前に立ち塞がる壁を少しでも低くしたいということ。

この先走り感も否めない知りたい気持ち、伝えたい気持ちを最大の武器としてプチモダンを始めよう。まだ何もない空っぽの状態だけど。

このときもうひとつの武器として、いましがた好きになったばかりのカメラがその威力を発揮する。写真は見たモノ感じたコトをその記憶とともに鮮度を失うことなく一瞬で画像のなかに封じ込めてくれる。

ときには目では捉えられなかったものを残してくれたり、ときには写っていることよりもたくさんの記憶を呼び覚ましてくれる。そしてこのことは、このカメラと記憶の関係はとても彼女向きで、また得意とするところであったと後に気付く。

だから写真を撮り、伝えたい気持ちを綴る。
この一点にチカラを集約させようと考えた。書きたいときに書く、書き直したいから書き直す、消したいものはすぐに消す、すぐはちょっと、それは緊張しながら。写真だって載せるも載せないも、入れ替えもまた自由。

伝えたい気持ちが熱いうちに即座にホームページにそのまま反映されるようなシステム作りにも取り組んだ。ウェブサイト制作の技術的な知識は後回しにしよう。僕だってたまにはこうやって書きたいことを書くが、書くことに集中できるのはとても気が楽である。

そのかわり伝えたい気持ちを失ったとき、すべてはゼロに帰す。書きつづける情熱や撮りつづける情熱がなくなった瞬間、プチモダンは空っぽになってしまう。実際、プチモダンから写真と文章を除くと恐ろしいぐらい何も、ない。

でもその心配はなさそうである。情熱は失われるどころか増す一方で、それこそ恐いぐらい、誰が呼んだか倉敷のリーサルウェポンここに登場である。

すべてはまだ始まったばかりであるが、最初に比べれば内容も増えたし深くもなってきた。もう空っぽとは呼ばない。そして、これからも伝えたい気持ちがあるかぎり、プチモダンは 0 から 1 にもなるし 2.0 にもなるだろう。